「ガラスは本当に難しい」④と⑤で調べた結果、幸いなことに私の電気炉は温度上昇・下降の管理の厳しいガラスフュージングにも充分耐えうると判断しました。
では、素人の私がどうやって焼成プログラムを作るのか。そこが次なる大きな課題でした。
②で書きましたが、その時は尊敬する方のアドバイスをいただいて、
・3層(9㎜)を2回に分けて焼成していたものを、1回で一気に焼成する
・徐冷については470℃で1時間キープ、その後1時間かけて350℃まで下げる。
それをそのまま実践してもよかったのですが、今後のことも考え、少しはない頭をひねってやろうと思い、またまた文献を読み漁りました。
いろいろと参考になる資料はあったのですが、ここでは、リンクフリーなブルズアイ社の焼成プログラム表を載せておきますね。
【チャートをブログに転載していいのか、ちゃんと確認してあります】
Hi Mari- It’s no problem to publish any of the charts that are in the free documents on our index of articles, as long as you credit them
(まりさんこんにちは~~無料コンテンツの中の記事のチャートは何でも使っていいですよ~ただし、出どころはちゃんと書いておいてくださいね)
これは、3㎜x2枚、直径約305㎜の推奨焼成プログラムです。
表の1-8についての詳しい説明は、同文書の6ページに載っています。
私が思ったこと。
1. Initial heat
ガラスはなるべくゆっくりと暖めるといいらしい。えっ、650℃まで2時間以上??マジ??
2.Pre-rapid heat soak
ここでキープを入れることで、泡が閉じ込められることを防げるのね。ふむふむ。
3. Rapid heat
高温焼成。はい、ハイピッチで温度を上げていくのは得意よ~~ん。失透を防ぐためだということは初めて知ったけれど。(失透とは、ガラスが透明性を失うこと。結晶が集まって云々。。。などの化学的な話はよくわからないけれど)
4. Process Soak
出来上がったガラスの形を決める大切なポイント。私の炉は温度が高めなので、特にここの温度帯では、炉を見張っていなければ(ご存知、手で温度調節するアナログな炉です)
5.Rapid Cool
これは聞いたことある。徐冷時に、扉を少し開けて、なるべく早く炉を徐冷温度まで持っていくのね。でも、ブルズアイの説明をよく読むと、炉の温度が急激に下がるとガラスの外側と内部に温度差が出来るので、あまり思わしくない。ここはスイッチを切って、炉が自然に冷めるのを待つほうがいいのかな?でもそうすることで、ガラスは失透しないの??
6.Anneal Soak
ほほお~~これが問題の徐冷部分ね。難しいけれど、頑張って理解しなければ。
はい、ここはとても重要なポイントなので、ブルズアイのページを翻訳してみます(でも私は専門の翻訳家ではないので、あくまでも目安としてご覧になってください。なお、和文を転用することは固くお断りいたします)
「6. Anneal Soak ~900°F (482°C)
As glass heats, it expands; as it cools, it contracts. These
processes set up stresses within glass, especially between the
interior and the surface of a glass body. To relieve these stresses,
which can lead to strain or breakage at room temperatures, it is
necessary to cool glass in a very controlled manner, through a
predetermined temperature gradient. This controlled process for
cooling glass is called annealing.
The first phase of the annealing process is the anneal soak, which
should help to equalize the temperature throughout the glass
and relieve any stress that is present.
We soak Bullseye glasses at 900°F (482°C). The duration of the
soak at this temperature depends upon both the thickness of
the glass and how it is set up in the kiln. The goal is to achieve
uniform temperature throughout the body of the glass.
(和訳)
ガラスに熱を加えると膨張し、冷める時に収縮する。これらのプロセスでガラス、特にガラスの表面と内側にストレスが生じる。このストレス(室温に戻した時に歪みや割れる可能性)をやわらげるためにはあらかじめ決められている温度傾斜で、きちんと温度管理をしてガラスを冷却する必要がある。このガラスを冷却するための温度管理のことを徐冷という。
徐冷の最初のフェーズは アニールソークである。ここではガラス全体の温度が均一となるよことを目指し、ガラス内のストレスをやわらげる。私たちはブルズアイのガラスを482℃と設定している。徐冷時間はガラスの厚みとどうやって電気炉にセットされているのかで決まってくる。ゴールは、ガラス全体の温度が均一になることである。」
7.Anneal Cool
ここも重要なポイントなので、ブルズアイのページを翻訳してみます(先ほども申しましたが私は翻訳家ではないので、あくまでも目安としてご覧になってください。和文を転用することは固くお断りいたします)
Once the temperature within the glass body has become uniform
during the anneal soak, it is gradually cooled through the rest
of the annealing range. The rate of cooling required depends
upon both the thickness (and variations in the thickness) of
the glass and how it is set up in the kiln. The goal is to keep the
temperature difference throughout the body of glass to within
10°F (5°C) from 900°–800°F (482°–427°C), and within 20°F (11°C)
(和訳)
Anneal Soak によってガラス内部の温度が均一となったら、今度はゆっくりと冷ましていく。温度の下降割合は、ガラスの厚み(とその作品の厚みが均一か部分的に厚いところがあるか)と、どうやって電気炉にセットされているのかで違ってくる。ゴールは、ガラスの内部と表面の温度差を482°–427°Cまでは5℃以内に、427°–371°Cまでは11℃以内に保つことである。
8. Cool to Room Temperature
ふう~~やっと炉のスイッチを切ることが出来る。最初に炉をつけてから9時間半!
【こことても重要です】
ブルズアイのホームページから情報をいただきました。もちろん、ブルズアイのガラスに適応した内容です。また、炉によっても焼成環境が違います。なのでこちらでは作業の結果や安全性については一切保証いたしません。
はい、私の最終的な感想。
3㎜x2枚、直径約305㎜の作品を推奨プログラムで焼くと所要時間12時間???
作品の厚みや大きさが増せば、それ以上の時間がかかる??
おまけに私の電気炉はダイヤルで温度を管理する、完全なアナログ方式。
ひえ~~~~~~~~~~~~~~~~~
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