こうなりました

一つ前の記事で「最初にガラスを焼成していなかったので、モールドにくっついている側のガラスがぼこぼこ、というより、ガラス特有の尖った、痛い感覚で仕上がってしまった」豆皿ですが、他のモールドで裏表をひっくり返してスランピングしたら、こうなりました。

(焼成前の写真、取り忘れました)

ファイアーポリッシュがメインの目的だったので、トップ温度720℃で3分キープくらいでしょうか。昨日の記事でも書きましたが、メーカー及び膨張係数不明のガラスなので、エフェットレの焼成プログラムの合わせて徐冷もしました。

綺麗にしたら、こんな感じです。

↑ 表側。表面はつるつるになりました!

↓ 裏側。つるつるだったものが、すこしざらついてしまいました。ちなみに離型剤は、パーフェクトプライマーでした。この程度なら許容範囲かと。

このお皿は、小物置きかな。食用のお皿にはしないつもりです。

なぜなら最近気がついたのですが、ブルズアイのHPには、Is Bullseye glass food safe?というページがあります。題名を訳すると、「ブルズアイのガラスは食器として使うに適しているのか?」ということになるかと。そこから少し気になるところを抜粋して、翻訳しますね。(いつものことながら、翻訳のお持ち帰りはお断りいたします。)


Listed below are the Bullseye glasses that contain more than 1.0% lead or more than 0.5% cadmium. If you use any of these styles for food-bearing objects, we recommend capping them with Bullseye clear glass. In our testing, we have found that clear-capping results in minimal lead and cadmium leaching -- well below FDA limits. In our testing, we have also found that transparent glasses leach lead/cadmium at levels below FDA limits, and much less than opalescent lead/cadmium-bearing glasses; so you may be able to use transparent lead/cadmium-bearing glasses without clear-capping.


(てきとー翻訳)

下記のブルズアイガラスには、鉛が1%以上、もしくはカドミウムが0.5%以上含まれています。このようなガラスを食器として使う場合は、ブルズアイのクリアガラスで覆うことをお勧めします。私たちのテストでは、クリアガラスで覆うことにより鉛やカドミウムの滲出を最小限に抑えることで、FDA [訳者注:アメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration)] の基準値を下回ることに成功しています。私たちのテストではまた、たとえ鉛やカドミウム入りであったとしても透明ガラスなら、FDAの基準値内におさまること、不透明ガラス(鉛やカドミウム入り)よりもずっと鉛やカドミウムの滲出値が低いことがわかってきました。このため、たとえ鉛やカドミウム入りでも透明ガラスなら、その上をクリアガラスで覆うことなく使用できる、とでも言えるでしょうか。

(訳者注:その先は、食器として作品を販売する場合は販売者自身が責任を持っていろいろなテストを行う(代行業者に行ってもらう)必要がある、だいたい一枚30-70ドルくらいで行うことができる、との記載があります。さすがは訴訟大国アメリカ、いろいろな可能性を考えて、情報を開示してくれているのですね。そして、2021年8月更新、との情報つきで、ものすごく長い透明・不透明ガラスの一覧表が出ています。)



私自身はあまりブルズアイは使わないのですが、このように自社のガラスについて、たとえそれがある意味不利な情報であったとしてもきちんと公開してくれるブルズアイ社の姿勢に頭が下がるとともに、これからはもっとブルズアイのガラスを使っていこう、と思った次第です。

また、わたし自身、エフェットレのカトラリーレストを作っていますが、それってどうなんだろうな、でもエフェトレはこういう情報を開示してくれていないし、やはり今まで通り、ブルズアイ社の情報をもとに判断して行かなければいけないのかな、と思ったり。

いろいろな理由でまだ minne にアップしていないカトラリーレストですが、もうひとつ、考えなければならない問題が出てきました。もっともエフェットレのガラスもブルズアイの説明通りだとすると、透明ガラスの場合はたとえ鉛・カドミウムを含んでいたとしても、食器として使用しても大丈夫なのでは、とのことのようですが。


ハンドメイド作家がどこまでそのあたりの情報に敏感で、自分の販売する作品について責任を持つものなのかは日本の場合、個人の良識に任されている部分が多いとは思いますが、このようなガラスの特質を勉強している身としては、一度は立ち止まって考えてみたい問題だと思っています。


ガラスって科学~~~難しいですよね。頑張るぞ!



Glass Kindred Spirits

ガラスフュージングと七宝焼きアクセサリーを作っている Mari です。 Welcome! I'm Mari, making glass fusing fusing & SHIPPO (enameling) accessories.