ここで撃沈してしまった夏の水族館、リベンジ!とばかりに再度イメージを変えて組み上げました。
今度は形を変えて半円にして、ベースに無色透明ガラスを使って。(ベースに無色透明ガラスを使ったのは 色ガラスがお高いから 様々な色の小さな部品たちのコンパチビリティーを無色透明ガラスとチェックしたかったからです。)
はい、久しぶりにこの武器を引っ張り出しました。たいへん優秀な、ガラスを円形に切る道具です。ちなみにガラスはモレッティです。長方形の余っているガラスをうまく半円っぽく切ることができました。(プチ自慢(笑))
前回の反省から不透明白のガラスは固いからガラスを引っ張ってしまうとのことでしたので、海底の砂(不透明白)は最小限に抑えました。
そしてガラスに高低差が出てしまうと徐冷キープでの作品の温度管理がすごく難しくなるので、ベースガラスの上に載せるガラスは1層(3㎜)まで。作品内での高低差は3㎜以内に抑えました。
あまりものを使ったので少し物足りなさは残りましたが、とまれ、こんな感じになりました。(綺麗でしょ?(笑))
翌日、のりがよく乾いてから炉に入れて焼成。
トップ温度720℃のタックフュージング、徐冷キープだけで6時間、合計14時間は焼成しました。(その後の徐冷も合わせて、24時間ほど炉内に滞在)
そして炉を開けてみたら。。。
あれっ?
あれれ???
表からはあまり目立たないのですが、裏面を見ると、はっきりとわかります。
黄色のストリンガーの周りに細かい亀裂が走っています。。。
そして、その黄色の海藻から作品の左上に向かって亀裂が。。。
これは不透明の黄色のストリンガーが悪さをしていると思われます。
そういえば、前作品でも、黄色のストリンガーの周りに小さな亀裂が走っていました。。。黒と黄色の魚の真ん中にも亀裂が走っていたし。。。
師匠にも相談しました。わたしの焼成プログラムは間違っていないようです。
(師匠、お盆最中のお忙しい中、たくさん相談して、本当に申し訳ございませんでした。そしてまたまた励ましてくださって、本当にありがとうございました。)
ということから数日考えた結論は、この黄色のストリンガーが原因かなということです。
以前、コバルトブルーでも体験したのですが、同じ膨張係数104でも、うまくフュージングできないガラスがあるのですね。
こういう時は基本に戻り、ブルズアイのHPへ。
Compatibility of Glasses COE Does Not Equal Compatibility というレポートがあります。
ガラスのコンパティビリティ (同じ)膨張係数といえども必ずしもコンパチブルとは言い切れない、とでも翻訳できるでしょうか。
とてもいい記事なのですが難しいし、今はちょっと時間がないので、ほんのさわりだけを翻訳してみますね。(いつもながら翻訳のお持ち帰りはお断りしています)
Matching COEs is simply not an accurate measure of compatibility. The viscosity characteristics of a glass are equally important as its expansion characteristics. Together, these two properties determine whether one glass will fit another.
(てきとー訳)
膨張係数が合致することだけがコンパチブルだという正確な目印ではありません。ガラスの粘度特質は、(ガラスが)膨張する特質と同じくらい重要な要素です。この2つの要素が、ひとつのガラスが他のガラスとうまく融合するかどうかを決定づけます。
深いですよね~~~この話は今度時間のある時にもっと突き詰めて勉強したいと思っています。(あたしの文系脳がほぼ拒否していますが(笑))
ガラスフュージングを始めた頃は膨張係数さえ合っていれば、作品はうまく作れる、万が一焼成後割れてしまった場合は、それは焼成方法に問題があったのだ、と思っていました。
でもここ何か月かで、自分が(意図せずに)試した中でも、モレッティの場合、不透明白、不透明黄色、透明コバルトブルーは他のガラスと混ぜて焼成すると、うまく行かない場合があります。わたしだけかな。。。とも思ったのですが、調べてみると、↑のようにブルズアイさんは親切に教えてくださっているし。また、以前どこかで、ガラス作家さんが大きな作品を作る場合は、必要なガラスをロットごとたくさん買う、と聞いたことがあります。たとえ同じメーカーでもガラスを作る際にロットごとに微妙な調整を行っているので、同じロットのもの、なるべく同一条件の材料で作品作りをする、とのことだそうです。
でも私たち素人は、そこまでこだわることはできず。特に私の場合は、安いガラスを探し回っているような状態です。だとしたらどうしたらいいのか。もちろんひとつは、↑に書いたような、モレッティの特質を経験を積むことで頭に入れていくこと、そしてもうひとつは、もともとメーカーでしっかりとコンパチテストをしているメーカーのガラスを使うことです。
ということで、こういった込み入ったものを作る時は、これからはブルズアイを使おう、と真剣に思って、奥にしまってある、いつの間にか増えていったブルズアイの端材などをいま再チェックしています。
でもモレッティのミルフィオリの可愛らしさも捨てがたいので、これからも小さなアクセサリーを作る時は、思う存分モレッティとミルフィオリを使っていこうと思っています。
七転び八起き~~~この夏、何回使ったかな?(笑)
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